もう少し具体的に書いてあるかと思いましたが、 「抽象概念」とも書いてあり、よくわかりません。
では「生物」を調べてみましょう。定義のところにこうあります。
-- (Wikipedia 「生物」より抜粋)
先程の生命の定義と循環してしまっていますね。
ここは簡単に、生命を「外界からのエネルギー(食べ物や日の光)を得て、内部に秩序だった構造(細胞や組織)を形作ることができるもの」としましょう。
別の言い方をするならば、「外界からのエネルギー(食べ物や日の光)を得て、周囲を高エントロピーの状態にするのと引き換えに、内部にエントロピーの低い構造(細胞や組織)を作ることができる物体」とでもしましょう。「エネルギーをたくさん消費しながら、秩序だった自分の体を作る物体」、みたいな感じですね。
ちなみに「三体」という小説では生命体のことを低エントロピー体と呼んでいる箇所がでてきます。「エネルギーをたくさん消費しながら自身の低エントロピー状態を保つもの」と考えてもいいですね。
小むずかしいことはさておき、地球上の生命に限ってみると、もう少し特徴を付け加えることができます。つまり、
「核酸(ほとんどの場合はDNA)を遺伝子として持ち、遺伝子の情報をもとにタンパク質を合成し、タンパク質の働きによって外界からのエネルギーを秩序だった内部構造に変換できる物体。」のように言えます。
この、DNA-タンパク質型の生命が現在地球上で見られる生命のかたちのほとんどです。生命が誕生したといわれる35-40億年前の地球ではRNAがDNAとタンパク質の両方の役割を担っていたという説もありますが、いずれにせよ現代ではDNA-タンパク質型です。
数十億年前の地球では、いろいろな化学物質が溶け込んだスープのような状態の海や湖沼、または温泉などがあり、その中で化学物質がいろいろ作用しあって生命が出来上がったと考えられています。
このあたりのことは見た人がいないので実際にどうだったのかは想像するしかありません。ひとまずここではこれ以上考えないようにします。
ところで現在、宇宙科学の分野では地球外生命の探索が積極的に行われています。特に太陽系の中にある地球以外の惑星や、その惑星の周りをまわる衛星に生命が存在する可能性が真剣に検討されています。
たとえば、木星の衛星であるエウロパや、土星の衛星エンケラドゥスには地表の下に大量の液体状の水が存在していることが確実視されていて、内部の熱源によって一部は熱水になっていると考えられています。
地球の海底深部にある熱水排出口周囲に生物が見つかったことで、それらの衛星における熱水の存在(の可能性)が生命の存在を考えさせるに至りました。近い将来それらの衛星に探査機が送り込まれる計画があるそうです。もし生命(といってもせいぜい細菌みたいなものくらいでしょうか)がいたとしたら、とてもエキサイティングです。
火星の表面には過去に水が流れていた跡があることから、火星上で運用されている探査車(ローバー)は過去にいたかもしれない生命の痕跡を探す努力を続けています。
関連して個人的にはもう一つ知りたいことがあります。この別の惑星系にいるかもしれない生命が地球と同じDNA-タンパク質型かどうかです。
別々の惑星系で独立に発生した生命がたまたま同じDNA-タンパク質型になる可能性は低いでしょう。もし同じDNA-タンパク質型だったとしたら、先程書いたように太古の水の中で生命ができたのではなく、宇宙空間でできた生命が地球とそれらの衛星や惑星に届いたと考えた方がシンプルです。
太陽系ができる途中で生命(もしくは生命の元)ができて、それらが地球と地球以外の惑星系に散らばったのではないかと想像したくなります。もっと想像を膨らませて、どこか遠い星の生命体が生命の元をばらまいたものがここまで届いたと考えてみるのも面白いですね。
とにかく、地球以外でもう1か所でいいので生命が見つかると、いろいろ面白い想像ができそうです。
-- 長くなったので次回に続きます。
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