チャック付きの服は皆さんもお持ちだと思います。チャックを開いて見てもらうと片側のチャックのレール(?)に沿って少し布がはみ出ている場合があります。説明がわかりにくいので下の写真をみてください。
僕は自転車で通勤しているのですが、先日寒かったので写真のウインドブレーカーを着て出勤しました。夜の帰宅時にまたそのウインドブレーカーを着た時に少し急いでいたせいか、チャックに前述のはみ出た布が噛んでしまいました。
外すために上下に動かしたり引っ張ったりしたのですが、かなり硬く噛んでしまい全然外れずに結局チャックをほぼ開けたまま着る羽目になりました。
既に何度目かの噛み込み。手前の布がちょうど噛み込みやすい位置にある。 |
おそらくこのはみ出た布はチャックを閉めた時にチャックの隙間から風が入ってくるのを防いでくれるのだと思うのですが、チャック全開のためその役割とは裏腹に寒い思いをしました。
同じような作りになっているチャックは多いと思います。そして皆さんも同じようにこの布がチャックに挟まって困ったことがあるのではないかと思います。もう少し挟まらないようにできないものでしょうか。いっそのことなくてもいいような気がするのですが・・。
前回対戦した敷布団カバーのチャック。チャック隠しの布部分が噛み込む。
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それは置いておいて、この時の帰り道に閉まらないチャックのことを考えながら自転車をこいで帰宅するうち、一体僕と同じようにチャックに悩まされている人はどのくらいいるのだろうと思いを馳せました。
だいたい僕は一年のうちで3~4回はなんらかのチャックがかんでしまっている気がします。仮に少なく見積もって年2回として、全人類も等しく2回ずつチャックを噛ませているとすると、
全人類 70億人 x 年2回 = 延べ140億人が一年間のうちにチャックを噛ませていることになります。つまり
140億人 ÷ 365日 ≒ 3千8百万人 --- (1)
一日あたり3千8百万人もの人がチャックを噛ませて困っています。一日の秒数(8万6千4百秒)で割ると、毎秒約440人です。困っているのは自分だけじゃなかったんだ・・という安堵を通り越して数の多さにびっくりです。仮にチャックを直すのに3分間かかるとして
3分 x 3千8百万人 = 1億千4百万分 =190万時間 ≒ 7万9千日 --- (2)
つまり全世界で毎日7万9千日分の時間が噛みチャックのために費やされていることになります。
人生80年と考えると、人の一生は
365日 x 80年 ≒ 3万日 --- (3)
くらいなので、毎日2人分以上の人生に等しい時間がチャック外しに費やされている計算になります。
産まれてから死ぬまで延々と噛んだチャックを直し続ける人生 x 二人分(x毎日) = 怖い
---(4)
ちょうどこの辺りの計算をしている時に自転車がだれもいない真っ暗な田んぼ道に差し掛かったので、暗闇のせいもありなかなかにぞっとしました。パンドラの箱を開けた気分です。
ちなみに上記の計算は暗算ではやりにくいので帰宅時は一年を350日として計算しました。7÷ 2 = 3.5 なので 一番初めの計算(1)がやりやすい。計算結果にそれほどの違いはありません。
毎日2人分の一生が無駄になっていることを考えると、YKKをはじめとしたチャックメーカーはそろそろ噛まないチャックの開発を本格的に始める必要があるのではないでしょうか。
または科研費のテーマとしてもいかがでしょうか。
「 絶対に噛まない次世代チャックの開発 」
誰かよろしくお願いします。
ところでこういった簡単な手掛かりに基づいて計測困難な量を推定することをフェルミ推定というそうです。
今回の投稿は同じようなやり方でPCR溶液中のDNAのコピー数を考えてみたいということが趣旨だったのですが、思いのほか長くなってしまったので次回に続きます。
学研のひみつシリーズにあった最初期のファスナー、ザ・オリジナル |
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