Wednesday, October 16, 2019

TOYOBO

気まぐれメーカー案内 その3
TOYOBO



東洋紡っていったい何の会社なんでしょうね。

昔は東洋紡績と言っていたことを考えるとうっすらとイメージは沸きますが、そもそも「紡績」のちゃんとした意味もよくわからないのでぼんやり感が増します。なんか糸的なものを作っていたんだろうなというくらいです。ここはあえて紡績の意味を調べずに先に進みます。

僕らと東洋紡(というかTOYOBO)の関係はほぼ100%試薬でしょう。皆さんはどの試薬を使っているでしょうか。



うちにあるTOYOBO試薬は以下の通りです。

(リアルタイムPCR関連試薬)
THUNDERBIRD SYBR qPCR mix
THUNDERBIRD Probe qPCR mix
ReverTra Ace qPCR RT Master Mix
ReverTra Ace qPCR RT Master Mix gDNA Remover

(高効率ポリメラーゼ)
KOD FX Neo

(その他)
ScriptMAX Thermo T7 Transcription Kit


・・・リアルタイムPCRの試薬が多いですね。

ひとによって思い浮かべるものがちがうであろうサンダーバードたち。

リアルタイムPCRの試薬は装置メーカーの純正品だと3倍以上の値段なので、破産しそうになりサンダーバードを使うようになりました。サンダーバードは安くて増えるのでかなりおすすめです。キャンペーンもよくやっているのでその時に買いましょう。


実際に使うのは水と右から2番目のマスターミックスのみ。超簡単。

リバトラエースは逆転写後の溶液を直接サンダーバードでの反応に使えるので便利です。逆転写したcDNAを精製する必要はありません。定量PCRでは手技によるサンプル間のばらつきの影響が結果を左右するので手順を省けると理想的です。

ちなみにゲノム研究分野では同試薬を使った定量PCRのトレーニングを行っています。プロトコールも公開しているので参考にしてみてください(→リンク先 上段のマニュアル・プロトコールを参照)。


KOD FX NeoはクルードなDNAサンプルからでももりもり増えてくるのでマウスやゼブラフィッシュのジェノタイピングに使っています。水酸化ナトリウム水溶液を使った粗抽出法でいいので楽です。これ以外の酵素を長期間色々と試した結果たどりついたので、もし同じような用途で悩んでいる人はサンプル品をもらって試してみてください。

これらに加えてdNTPも同梱されています。
 
またNEBと同様にTOYOBOのカタログには製品紹介だけでなく実験の詳しい原理なども書いてあってためになります。今はデジタルカタログもあるようですが、実験しながら見られるので冊子体があると便利かもしれません。連絡するともらえるようです。学生の頃は無条件に毎年配られてきていたのでTOYOBOのカタログで実験の勉強をしていました。

当時はカタログの表紙にその年の東洋紡ガール(水着)の写真が一面に大きく写っていて、カタログを見るたびに「いや、違うんですよ。制限酵素サイトの確認をしたいんですよ。」とかいちいち誰にも聞かれていないことに心の中で反応していました。


現在のカタログ。Webで見られる。

当時も学生ながらにこれはどう考えても表紙のデザインを間違えているだろうと思っていましたが、TOYOBOがそれに気づいたのが先か、時代が変わったのが先かはわかりませんが今は簡素なデザインになっています。

ちなみに学会などにあるTOYOBOのブースに行くと試薬にとても詳しい人がいるので実験がうまくいかない時などは聞いてみましょう。試薬の特徴に即したいいアドバイスがもらえることがあります。

個人的にはもっと多くのTOYOBO試薬を使っているつもりだったのですが思いのほか少なかったのが意外でした。

いい試薬に巡り合ったらまたここで紹介しますね。

以前のカタログのイメージ。

今回はTOYOBOの紹介でした。



ご質問はゲノム研究分野まで。
内線: 3171
e-mail: mgrc@gifu-u.ac.jp

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