Monday, March 31, 2014

PCR用酵素 その1


皆さんはPCRを行うときにはどの酵素を使っていますか?
今日の記事はPCR用ポリメラーゼについてです。

PCR用ポリメラーゼは主に2つの種類に分かれます

1つ目はTaqポリメラーゼです。
TaqポリメラーゼはPCR用酵素の主力で最も広く使われています。
好熱細菌のThermus aquaticusから単離されたので頭文字部分をとってこの名前があります。
PCR法の開発初期に初めて採用された耐熱性ポリメラーゼもこのTaqポリメラーゼです。

Monday, March 17, 2014

Nichiryo ニチペット

なんだこれは。意外にいい。いやかなりいい。
盲点の日本製ピペッター ニチリョーニチペット


4回目のピペッター批評はその社名からパンを作っている会社かと思っていたら実は実験機器メーカーだったというニチリョーから販売されているピペッター、ニチペットが主役です。

(これまでのピペッター批評はこちら→

タイトルで今知ったみたいな書き方をしてしまいましたがニチペットを初めて見たのは15年くらい前です。

当時はギルソンのピペットマンだけが本物のピペッターと思っていたピペッター初心者だったので他の研究室にお邪魔してニチペットを借りて実験していた時にはほんとにちゃんと吸えているのかと疑っていました。

それ以後いろいろな研究室に行った際に時々ニチペットがあるのを見て、意外に持ってる人多いなーと思っていました。なぜか外国の研究室に行った時にもあって誰が買ったのだろうと思いつつも共通ピペッターだったので実験に使っていました。

しばらく使ってわかってきたのですが、本ピペッターは実によく考えて作られています。

Tuesday, March 11, 2014

顕微鏡の視度調整


ゲノム研究分野には顕微鏡がいくつかおいてあります。

以前紹介したLSM710、及びLSM510の2つの共焦点レーザー走査型顕微鏡(Carl Zeiss社製)、および正立型と倒立型の通常光型顕微鏡(倒立型は蛍光観察が可能)、実体顕微鏡(いずれもCarl Zeiss社製)が共同利用機器としてお使いいただけます。

共焦点レーザー走査型顕微鏡では観察者が肉眼で観察する機会は余りありませんが(サンプルの位置合わせくらい)それ以外の顕微鏡では実際に観察者がレンズを覗きながら長時間観察を行います。この時はまずはじめに接眼レンズを観察者自身の視力に合わせて調整する(視度調整と言います)必要があります。

今日はその視度調整の方法について説明します。

Wednesday, March 5, 2014

おすすめ論文紹介 - Novel Insect Picorna-Like Virus Identified in the Brains of Aggressive Worker Honeybees

前回の論文に引き続き今回もミツバチに関する論文を紹介します。

Title: Novel Insect Picorna-Like Virus Identified in the Brains of Aggressive Worker Honeybees
Tomoko Fujiyuki, Hideaki Takeuchi, Masato Ono, Seii Ohka, Tetsuhiko Sasaki, Akio Nomoto and Takeo Kubo
Journal of Virology Vol. 78, 1093-1100. 2004.

2004年の論文です。

前回の論文紹介ではニホンミツバチによるオオスズメバチの撃退法を取り上げました。
ニホンミツバチは巣を襲撃にきたオオスズメバチに対抗する手段として集団でオオスズメバチを包み込み自らが出す熱によってオオスズメバチを討ち取るというものでした。

この熱による攻撃はニホンミツバチのみが行う行動でありセイヨウミツバチは同じ手段で対抗することはできません。したがってオオスズメバチに襲撃されたセイヨウミツバチのコロニーは短時間のうちに全滅してしまいます。

自分たちの巣を襲われた際には巣を守る兵隊役の働き蜂はたとえ襲撃者がオオスズメバチであっても果敢に対抗します。セイヨウミツバチの攻撃手法はお尻の先にある毒針です。