Monday, October 2, 2023

ABU

 虫好きの皆さん、こんにちは。

ここになにかいる。
 

前回の投稿でも書きましたが、岐阜にはいろいろな虫がいます。これまでも変わった虫を見てきましたが、先日、本巣(岐阜市のお隣)の公園で出会った虫は衝撃でした。

園内を歩いていると、視界の中に飛ぶ影が・・・

「何かが何かを運んできた!!」

と思ったら、その影は目の前の金網にとまりました。 


虫が虫を抱えている。

一瞬どんな状況なのか理解できなかったのですが、よく見るとアブが別の虫を体の前に抱えていました。このアブはどうやら虫を狩る類のアブのようです。相手の首のあたりに口吻をつきさしています。体液を吸っているようです。 

狩られた方の虫は、ゲンゴロウの仲間の水生昆虫(ハイイロゲンゴロウ?)のようです。このアブが水中にもぐって捕まえたとは思えないので、飛翔中に狩られたのでしょうか。飛びながら捕まえるとは、すごい飛翔能力です。

アブが属するハエ目は昆虫の中でもより進化した体構造を持っています。多くの昆虫は4枚(2対)の翅を持っていますが、ハエやアブ(蚊も)は後ろ側の1対の翅(後翅)は平均棍(へいきんこん)という棒状の構造に変化しています(ボウリングのピンやマラカス、または四分音符に似た形をしている)。

前翅で羽ばたくと同時に平均棍を震わせることで(基本的には前翅と逆の位相で震えるみたいです)体のバランスを保つ働きがあり、それによって高度な飛翔が可能になるようです。(しかしまだ完全にはそのメカニズムは解明されていないと思います。)確かにハエなどは退治しようと狙ってもすぐに逃げられてしまいますね。

このアブですが、後で調べるとアオメアブというアブでした。よく見ると上手に相手の硬い体の隙間から口吻を突き刺しています。いくら表面が硬い虫であっても、頭と胸を接続する可動部分は薄くできていて、そこをねらっているようです。

硬い外骨格の切れ目をねらっている。

ちょうどこの首(?)のあたりは頭部の脳と胸部の神経節をつなぐ神経の束(もしかしたら胸部の神経節そのもの)なので、そこを破壊されてしまっては、狩られた方は動けなくなっていると思います。 

本能なのか、ある程度学習してからその場所を狙えるようになるのか、とても不思議です。 最強の昆虫は何かということは永遠のテーマですが、僕はやっぱりオオスズメバチだと思っています。ですが、調べるとオオスズメバチを狩るアブがいるそうです。このアブがオオスズメバチを狩ることがあるのかどうかはわかりませんが、体のつなぎ目を狙えるのならばオオスズメバチでも狩れそうです。

写真を撮りながら真横から近づいても、食事に集中しているのか逃げません。警戒心はそれほどないようです。おなかが活発に動いていたので、存分に体液を吸っているのでしょう。もっとじっくり観察しようとしたところで、残念ながら金網が揺れた拍子に飛んで行ってしまいました。

葉っぱになったり、狩りの腕を上げたり、いろいろな特技を持った虫がいますね。

ではまた。

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