Monday, January 20, 2014

フィンピペット


フィンピペットのフィンはフィンランドのフィン。

今日はピペッター批評の2回目です。前回のギルソンのピペットマンに続きまして今回は、Thermo Scientific社のフィンピペットを取り上げます。

始めに宣言しておくと、僕はフィンピペットのファンなので評価が良い方に偏ってしまいます。内容は話半分で聞いてください。

それでは始めましょう。

エントリーNo. 2
Thermo Scientific, Finnpipette


大学院を修了してポスドクとして移った研究室で初めてフィンピペットに触れた時は衝撃的でした。それまでずっとギルソンのピペットマンしか使ったことがなかった僕にとって同僚にかりたフィンピペットの軽さとストロークの軽快さはそれ以来ずっと僕を虜にしています。

しかしその時僕に支給されたのは 別のピペッターだったため「いつかフィンピペットを買ってやる!」という思いが輪をかけてフィンピペットへの過剰な評価を高めたのでした。

当時憧れたフィンピペットはフィンピペットデジタルという製品でした。デジタルと言う名前からは電動ピペットのような印象を受けますが普通の手動ピペッターです。このピペットの印象としてはとにかく軽い!の一言でした。本体の重量もさることながらストロークの軽さと、容量変更ダイアルを兼ねたピストンを回した時の「カリカリっ」という軽快な手応えはとても心地良いものが有ります。

フィンピペットデジタル 200uL

本製品の目盛りは設定可能な容量のところで軽く止まるようになっているため(板状のバネがくぼみに嵌るようになっている)分注を繰り返してもダイアルが動いてしまうことはありません。また1回で変化する容量が大きいので少ない回転数で目的の容量に設定できます。最大容量から最小容量まで設定を変えないといけない時は短時間で変更できるのでストレスが少なくてすみます。

 一方で最小可変容量が大きいため他のピペッターと比べて細かい容量設定ができません。例えば1000uLタイプは最小可変容量が5uL、200uLタイプだと1uLです。135.5uL等の設定はできません。僕は気休め程度に目盛りを中途半端なところでわざと止めることで対応しています(個人的には実用上困ることはありません)。
途中で止めて0.5uLを測ったつもりになる。

フィンピペットデジタルは一時期製造販売が中断されていました。その後復活の希望が相次ぎ2年ほど前に復刻版が発売されました。僕が使っているのはこの復刻版の方なのですが、以前のものと比べて幾分ピストンやダイアルが重くなった気がします。特に目盛りを変えるダイアル部分はバネの材質が硬くなったのか回すのにかなりの力がいるようになってしまいました(容量変更時に回していると親指の付け根が痛くなるくらい)。これでは軽さが売りのフィンピペットの良さが半減です。改善されることを期待します。

フィンピペットF2 (Thermo Scientific HPより)
こちらはF2の8チャンネル仕様

フィンピペットにはこれ以外に上位機種もあります。フィンピペットF1は抗菌仕様となっており、使用感もかなり軽くなっています。表面はつるつるしていて清潔感のある作りになっています。オートクレーブは不可です。この手のピペッターには珍しく真っ白です。一方のフィンピペットF2は真っ黒です。こちらは抗菌仕様ではないもののオートクレーブに対応しており、重量、使用感ともに最高レベルに軽いです。表面がほんの少しザラザラしていて手に馴染みやすいためとても持ちやすくできています。

F1,F2ともに最小可変容量がデジタルと比べて小さくなっているためより細かな設定が可能になりました。ただしそのためバネがダイアルの窪みに嵌る回数が増えたため容量変更時にはガリガリガリガリとバネの引っかかりが密になったことでダイアルを回した時の軽快さは失われています(気にならない人は良いと思います)。細かな容量設定はバネ式ではない方が良い気がするのですがどうでしょう?Thermoさん。

幻のフィンピペットフォーカス(アズワンHPより)

フィンピペットには以前フォーカスという製品も販売されていました。僕はこれが大好きで(デモでしばらく使っていました)、次にピペッターを買う機会があればこちらの方を買いたかったのですが、残念ながら数年前に製造中止になってしまいました。丸みを帯びたデザインで手にかなり馴染みやすかった気がします。こっちの復刻はないでしょうか?

いくつか紹介しましたがフィンピペットはどの製品もとても使用感が軽くできており、軽いピペッター好きな人は一度試してみると良いと思います。

総評:思い出補正を除いてもやはり軽さは際立っており個人的にはおすすめのピペッターです。フィンピペットを使っていると研究も軽快に進んでいくのではないかと錯覚させてくれます。

オプションのスタンドに掛けて使うと使いやすい

フィンピペットデジタル
本体の軽さ     ☆☆☆☆
ストロークの軽さ  ☆☆☆☆
値段のやすさ   ☆☆☆

フィンピペットF1, F2
本体の軽さ     ☆☆☆☆
ストロークの軽さ  ☆☆☆☆
値段のやすさ   ☆

次はeppendorfのピペッター、Referenceを紹介します。(→ リンク: エッペンドルフ リファレンス





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