ゲノム研究分野 共同利用機器紹介-(4)
すりつぶす以外に何がある? マルチビーズショッカー MB455GU(S)あまり自分で使い込んでいない装置のことを書くとボロが出てしまうので嫌なのですが、早く紹介したい装置なのでボロを出しながら書きます。本装置の用途を長々と説明する必要はありません。この装置、とにかく組織をとことん細かくすりつぶす機械です。
もう特に伝えたいことはなくなりましたが、がんばってもう少し書きます。本装置はどれくらいの強さですりつぶすかを設定により変えることができます。あとすりつぶす時間の長さも変えることができます。
これ以上この装置について何を語ることがあるだろうか。絞り出してみます。この装置は冷却装置と一緒に使うことで低温ですりつぶすことができます。したがって成分が分解してしまうのを抑えることができます。
考えれば出てくるもんですね。そういえばすりつぶすためにはマイクロチューブに入ったガラスビーズやジルコニアビーズを使います。一度に2mLチューブなら6本セットできます。僕はジルコニアビーズを使っています。ちなみに日本ジェネティクスが販売しているジルコプレップミニというやつです。
凍結したゼブラフィッシュの組織を脂質抽出のために有機溶媒中で2,500rpmで30秒間すりつぶしました。こなごなでした。脂質はきちんと十分な量が抽出できました。以上が僕が本装置を使った全てです。何rpmにするか、何秒にするかは設定で変えられますが、僕は予め設定されていた値で使っただけなので詳しいことはよくわかりません。説明書が装置脇にあるので見てみてください。
あまりやる気のない書き方になってしまいすみません。でもこの装置は分析のためにはとても重要な装置なのです。サンプルをきちんと調整できていないと分析された値に信頼を持てません。固形物はきちんと細かくすりつぶして成分の抽出効率を上げる必要があります。本装置は本当にとことんまでに細かくすりつぶしてくれます。ただ上下に振動するだけではなく縦に8の字を描くように動くので効率よくすりつぶせるのだと思います。先ほどの魚では骨まできれいに粉々に粉砕してくれました。
この中にサンプルが入ったチューブをセットします。 |
本装置内の3箇所の筒状の穴にサンプルと粉砕用ビーズの入ったチューブをセットします(2mLチューブは2つずつ更に大きなプラスチックチューブに入れて蓋をし、筒の中にセットします)。この時バランスをとる必要があるのでサンプル数が6本より少ない場合は重さが同じダミーのチューブを空いた場所に入れておきます。チューブをセットした筒に金属製のスクリューキャップをします。装置の蓋を閉め、スタートボタンを押すと「本当にいいの?」という意味合いの確認画面が出るので良い場合はそのまま画面のOKのボタンを押します。
サンプルチューブをこれらの容器にセットして装置に入れます。サンプルを右側のプラスチックチューブにいれ、更に左側の金属のチューブに入れて装置へセットします。 |
すごい音がして装置が動き出します。バランスが取れている場合は即安定します。バランスが取れていない場合はどうなるか試したことはないのでわかりませんが、すごく大きな音がして震え出すのではないでしょうか。とにかくバランスを合わせるように注意してください。
硬い植物の組織もすりつぶせると思います。骨も大丈夫だと思います。すりつぶすときはチューブ内に半分くらいまでバッファー等を入れておいたほうが良さそうです。そのままだと摩擦で温度が上がりすぎて成分の分解を促進してしまいます。長時間(数分)作動させるときはバッファーを入れていても温度が上がりすぎるので適宜冷却装置を使ってください。
使用にあたって特に細かい説明が必要な装置ではありませんが、注意点など心配がある方は遠慮無くゲノム研究分野までお知らせください。説明させていただきます。ちなみにすりつぶすことをホモジナイズと言ったりもするので本装置のような機械はホモジナイザーと呼ばれます。しかしながら本装置はマルチビーズショッカーという名前です。わかりにくいですね。以上です。
設置場所:ゲノム研究棟 3階 306号室左奥の低温室(現在は常温運用中)
利用料金:無料!
詳しくはゲノム研究分野 管理室まで (内線 3174、Eメール mgrc@gifu-u.ac.jp)
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